小学館が運営する女性インサイト研究所の頭皮ケア調査
(雑誌「CanCam」「AnecanTV」「Oggi」「Domani」「美的」の各読者。n=440)によると、
「年を重ねてきて髪質や頭皮の状態、髪の量などに変化はありますか?」の問いに、
「ある」と答えた人が約7割。
20代だけを見ても、6割近くの人が変化を感じており、
年代を問わず髪や頭皮を気にかける意識が高まっているという結果が出ています。
「見た目年齢の決め手は肌より髪!」というのは今や常識で、
髪や頭皮に対する消費者の意識は、
ここ10年で随分と変化したことがうかがえます。
2010年頃からノンシリコンシャンプーが爆発的な人気を博し、
その後もクリームシャンプー、ボタニカルシャンプーと、
頭皮ケアに注目した新たなシャンプーが次々と登場して
一大シャンプーブームを巻き起こしていることも、
これら消費者意識の変化のあらわれのひとつと言えるかもしれません。
一昔前の家族全員が同じシャンプーを使っていた時代とは違い、
一人ひとりがそれぞれの好みや悩みでマイシャンプーを選ぶ現代。
前述したシャンプーブームからもわかるとおり、
価格の高い商品でもそれに見合う価値が見いだせれば、
躊躇なく購入する傾向にあることは、企業にとってとてもありがたいことです。
一方で、SNSの普及により、
良い情報も悪い情報も瞬く間に広がっていくという
危うさをはらんでいることも近年の消費者傾向のひとつです。
そんな中でも、選ばれ続ける、
愛され続ける商品であるために必要なこととはなんでしょうか。
一番は、もちろん「商品力」。
- より付加価値が高いもの
- より機能的なもの
- より個性的なもの
- より利便性が高いもの
年々激戦極まるヘアケア市場において、
これらをクリアできない商品はおそらく消費者の目に止まることさえ難しいでしょう。
次に、「消費者目線」。
- 商品の仕様や使い勝手
- 商品を選びやすい環境や条件
- 商品を買いやすい環境や条件
- 誰かではなく自分にとって心地よいもの、好みのもの
これらの情報を、消費者はSNS上でいとも簡単に収集し、取捨しています。
企業は、企業が伝えたい情報以上に、
消費者の目線に立った商品メリットを
「誤解なく」「過剰すぎず」「ウソ偽りなく」「真摯な気持ち」で
発信する必要があります。
スキンケアやコスメに比べ、気軽にチェンジしやすいヘアケア。
数多くある商品の中で輝きを放ち、かつ、
膨大な情報網をかいくぐって勝ち残っていくのはたやすいことではありません。
しかし、頭皮への関心が高まり市場が賑わいを見せている今だからこそ、
消費者の気持ちに寄り添った商品力、発信力が、
今後のヘアケア商材の生き残りのカギとなりそうです。
(M・G)